脩市郎&大地
 バングラディシュへ行く前にガイドブックをさがしましたがなく、どんな所か分からず不安を抱いてダッカの空港へ到着しました。
夜遅い時間に着いたにも関わらず、大使館の田中さんをはじめ皆さんに出迎えて頂き、そんな不安もすぐにぶっ飛んでしまいました。
次日の朝、現地の音楽家の方々とのリハーサルの為バスで移動中、町の様子を見てみると素朴で良い所でした。

◇ダッカ「ショナルガオンホテル」での公演◇

◇ダッカでジョイントした音楽家◇

 リハーサルは、言葉が通じない為か時間がかかりました。「大地」の曲をセッションしたのですが、現地の音楽家の方のアレンジを加えたりと、脩市郎&大地にはない物が出来ました。音を通じて何か感じるものがある為か、最後のほうでは通訳の方がいないのに会話になっていました。もちろん言葉は話せません。身体でリズムを教えあったりといった感じです。実を言うとその時は「だいじょうぶかなぁー。」と不安になりましたが・・・でも、本番はばっちり上手くいきました。
言葉が話せなくてもアイコンタクトで通じるものでした。これは、演奏者だからこそ伝わる何かがあったのではないかなぁーと思っております。現地の音楽家の方もそれを感じているらしく、自分の使っている楽器をくれました。楽器を扱う者としては何よりも大切なもの。それをくれると言う事は凄い厚意です。嬉しかったです。
小林大使より「こちらの方々は生活は貧しいのですが心が温かい。」とお聞きしました。そんな素朴さがあるバングラディシュへまた、訪れてみたいです。私のこころが病んできたら治療しに・・・・

◇ダッカの素朴な風景◇



◇ネパールのお客様◇
 ネパールは、観光化されているとは聞いていましたが想像していたより素朴で素晴らしい所でした。大使館の横山さんをはじめ皆さんに大変良くして頂きました。ネパールは、朝晩の気温差がはげしく体調を崩しやすいなどとの助言を頂き、色々と細かい気配りをありがとうございました。中でも、演奏をするのにあたり会館のトイレットペーパーまで気が付く心配りにはホントに感謝いたしております。必需品なので、ないと困るものです。そういった所にまで神経を使わなくて済みました、余計な心配をせず気持ち良く演奏ができました。
 ネパールの曲「レッサムフィリリ」は恋人同士が語り合う唄と聞いて、メンバーもその気持ちで演奏しました。その為かどうかは分かりませんが、客席から歌声や、手拍子が聞こえてきて私達の気持ちも絶好調にのっていました。ネパールでの公演を終わらせてしまうのが残念なほどでした。実を言うと、その日は神経がたかぶってなかなか寝付けませんでした。言葉は通じなくても、心が1つになれた気がして・・・今思うと馬鹿みたいですが。でも、私が三味線弾きを止められないひとつの理由です。舞台と客席がひとつになれる。日本だけではなく、世界でも実現できると感じたネパール公演でした。
◇ネパールの民族芸能◇



◇パキスタン・ラホールでの公演◇
 毎日、ニュースで報道されている様に情勢はどうなのか?と不安を抱いていました。日本を発つ前に読売新聞の取材を受け、新聞を見たという友人や親戚などから「気をつけて帰国してください。」と電話を頂くたびに、「メンバーを道連れにしてしまうのでは・・・」と不安になりました。ラホールではその不安が少しなくなりつつありましたが、イスラマバードへ着いた時には、不安が消えさり海外公演をやりとげたという喜びと、もう終わってしまうのかという寂しさを感じました。
 最終日となる日の公演はメンバーも同じ気持ちのようで大変に盛り上がりました。大地というグループを創って、今までに無い何かを皆、掴んだ公演だったと感じております。日本の公演とは違う何かを・・・メンバー一同を・・・一体にさせた時でした。公演会場の周りには、銃を持っている警備体制。でも、私達には「そんな事か。」と笑い飛ばせるかの様に客席からの拍手。アンコールも2度来て、まだ演奏していたいという気持ちになりました。次の日、篠塚公使に夕食会へ招待して頂きました。
◇地元で活躍中の音楽家との交流会◇

◇パキスタン・イスラマバードでの公演◇
 前日の公演の話で盛り上がり、実は出身が同じという話でさらに盛り上がってしまいました。まさか、パキスタンに来て地元の話が出来るとは思っていませんでしたから・・・楽しいひと時でした。篠塚公使をはじめ森川さん、大使館関係の方々ありがとうございました。



 こうして16日間、脩市郎&大地の長くも感じ、短くも感じた海外公演は無事終了しました。この場をおかりしてお世話になった大使館の方々、関係者の方々、通訳の方々、色々お世話になり、ありがとうございました。
また、現地の音楽家の方々と交流がもてた事は、私を始めメンバーにも得た物がありました。また、是非ジョイントしたいものです。そして、音を伝い、言葉が通じなくとも分かり合えるという出来事で友人を増やし、人として繋がりを築いていきたいものです。
6月2日の博品館劇場にネパールで知り合った友人が来てくれます。彼は、ネパール人なのですが「脩市郎&大地が東京公演という大きなイベントなのだから来る」と遥々来てくれます。そういった友人を大切にしていきたいものです。そして、何年か後には人種や言葉など関係なく、客席と舞台がひとつになれる演奏をしたいものです。



| 脩一朗&大地のページへ | 海外公演のスケジュールへ戻る |